ローカル5GはAll In One基地局でレッツゴー!

ローカル5Gを検討され、導入を開始する企業も増えはじめました。また、これからの検討や今検討されている企業担当者もたくさんいらっしゃいますね。
ローカル5Gを導入・検討するにあたって、企業の担当者は新しい言葉に振り回されているケースをよく耳にします。WiFiならばアクセスポイントを設置するだけで、WiFi環境は作ることができますが、ローカル5Gは、いろいろな装置が必要になり、結局専門家に丸投げになり、高額な予算が必要になるのも大きな導入障壁になっていると思っています。
ローカル5Gの「5G」は、第5世代(5 Generation)という意味です。もちろん過去には4G、3G、2Gなどがあります。3Gまでは、通信会社のみが提供できる国から免許をもらって周波数帯を独占してサービスを提供するネットワークだった為、一般企業の担当者が触れることができなかった分野のネットワークでした。4Gになって、WiMAXから発展した地域BWA(Broadband Wireless Access)が、各地方自治体を中心にプライベートLTEとしてのネットワークが、初めて一般企業における通信に解放されました。地域BWAに関しては、総務省のこのリンクにて詳しく書かれています。
https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/system/ml/area_bwa/index.htm
地域BWAは、利用する際には免許が必要になるので、開局には少しハードルがありました。その地域に1つの団体が地方自治体から認可を受けてサービスを提供するため、地域BWAは各地町村に根付いたケーブルテレビ事業者がそのサービスを提供しているケースが多い様です。後には、自営BWAとして、地域BWAを提供されていない場所に、企業や団体がサービスを提供できる仕組みもできました。
その後、免許もいらない4GネットワークとしてsXGPの利用が可能となりました。sXGPに関しては、推進団体のXGPフォーラムのリンクを参照して下さい。
https://www.xgpforum.com/new_XGP/ja/topics/sXGP/sXGP.html
時代の進歩とともに、大容量、低遅延の無線通信の要望として、第5世代の通信として5Gが出てきたわけですね。Docomoや楽天モバイルのような通信会社の5Gと同じように、企業が利用可能な5Gがローカル5Gになります。
5Gの通信には、NSA(Non Stand Alone)とSA(Stand Alone)という2種類の方式があります。NSAは通信会社が多く採用をしており、認証などを既存の4G(LTE)を利用し、認証が通るとデータ通信に5Gを利用します。5G導入時期にはその場所に必ず5Gの電波があるか分からないのでこの方式を採用されました。
ローカル5Gの場合は、新たにネットワークをゼロから展開するため、多くの企業はSAを選択しています。4Gと5Gの2重投資が必要無いのでリーズナブルです。
※出典 BUSINESS NETWORK 2020/11/25 レンジャーシステム株式会社記事より
ローカル5Gを利用するには、コアネットワーク(5GC、5G Core Network )を中心に、無線基地局 gNodeB(gNB next generation Node B) を設置し、端末(スマートフォンやモバイルルータ)と通信を行います。gNBの機能はRU (Radio Unit) 、DU (Distributed Unit)、CU (Central Unit)の3つで成り立っています。この3つの機能を繋ぐインターフェースを標準化して、組み合わせを自由に選べるように目指しているのがオープンRANです。世界統一の標準化に向けて Open Ran Allianceという団体が設立され、仕様を定めています。利用目的にもよりますが、分散させて効率よく導入したり、機能によってベンダーを組み合わせたり出来るメリットあります。これは、大量にgNBを導入する通信会社などには大きなメリットになっている様です。
一般企業はどうでしょうか?自社敷地内(工場やショッピングセンターなど)や自社管理敷地内(空港、鉄道など)に、ローカル5Gを展開する場合は、gNBは数局から数十局でエリアを形成します。その場合、分散しているgNBの各機能は、ひとまとめにする(All In One)が便利になります。gNBを設置し、アンテナから電波を発射するだけで、5Gのエリアを形成することができます。各々の機能を接続し、確認などする必要が無いからです。
分散型は、機能を別々のハードウェアに搭載し、接続などのインターフェースも搭載しないといけないので、大変高価な製品になっていました。All In Oneのタイプは、一つの筐体にまとめられたこともあり、価格としても以前に比べ、提供各社とも廉価になり始めています。
All In Oneの特徴は、なんといっても設置のし易さです。gNBのコンポーネントが一つに凝縮されているため、設置場所を選びません。最近の技術革新にて、サイズも小さくなり、重量も大変軽くなりました。安い、軽い、小さいと良いことずくめです。
我々のエアースパンでは行っていませんが、All In One のgNBに5GCも入れてしまう製品も他社からは提供されており、ローカル5Gの導入ハードルをさらに下げた製品もあるようです。スーパーAll In Oneですね。
私の個人的な見解ですが、PoC (Proof of Concept 概念実証)のような場合は、スーパーAll In Oneも良いかもしれませんが、それなりの敷地内のエリア展開の場合は、5GCとgNBは分離して、gNBを必要に応じて追加/削減/移動ができる方が良いのでは思っております。
エアースパンの5G All In One 基地局として、屋外用のハイパワー AirSpeed 1900を、屋内用のAirVelocity 1901を提供開始しております。企業様へのローカル5Gの導入にマッチした製品として、どうぞ、ご検討ください。


日比紀明
2001年よりモバイル業界にてキャリアのシステム開発やベンダーにおけるビジネス開発を手掛ける。
現在はAirspan Japan のSales Directorとしてシステム製品販売全般を担当している。